フォーレマラソン

歌曲研究会「ソワレの会」では、昨年のプーランクに続いて、今年はフォーレとラヴェルの全曲演奏会をしています。マラソンと言ってますが、まあ、駅伝のようなもので、出走者(演奏者)がタスキを受け渡していく形です。

 

明後日6月27日は2回目公演で、フォーレ中期、円熟期42歳の頃から~60歳の頃の作品がリレーされていきます。

非常に美しい「レクイエム」を作曲した頃からはじまります。

ヴェルレーヌの詩に出会い、どんどんフォーレの音楽のスタイルが出来あがる頃です。

有名な「月の光」に、イタリア好きのフォーレが訪れたヴェネツィアで作曲した「ヴェネツィアの5つの歌」

そして、マチルドとの婚約時代にヴェルレーヌが詩を書いた熱い恋の歌の「優しい歌」。

 

私は、この中期から後期へと移行する狭間の、作品79を歌います。

珠玉の逸品「消えざる薫り」と「アルペジオ」です。


これは51歳の頃の作品。パリの国立音楽院の作曲の教授として迎えられた時期。

「消えざる薫り」は非常に気品高く、荘厳な聖歌のような曲。

異名同音風に調が移り変わり、余裕もってブレス入れるところがほとんどなくて、歌うのはかなり苦労しますが、歌えば歌うほどこの曲に魅せられ陶酔します。

「アルペジオ」も難しい曲ですが、流れるように美しい曲です。

柔軟さをキーワードに歌ってみようと思っています。

 

こうして一人の作曲家を追いかけて調べてみると、時代が見えて面白いです。


27日18時開演 遊音堂です。

宜しかったら、いらしてください。