田中君のリサイタル

今日は、コーラスタイムのピアニスト、田中涼太君のリサイタルが京都アルティであり、コーラスのみんなと聴きに行ってきました。

キャパ600近くある広いホールで、彼は客入りを心配していましたが、結構お客様が見えていて、それも女性客が多かったですね。

とても素晴らしいリサイタルでした。

 

彼のピアノの音は、包み込むような柔らかさが特徴で、暖かく、音に癒され惹き込まれるとはこういうことを言うのだと感じました。日頃は伴奏している彼しか知らなかったのですが、こうして改めて彼のソロの音楽を聴いていると、度量の広さというか、許容量の大きさを感じました。ピアニストは男の仕事だとつくづく思いました。

プログラムは、前半はソロで、ドビュッシーの映像第1集、ショパンのマズルカ32、舟歌、あと西村朗のヴィシュヌの化身から・・・。

後半は2台のピアノで、ラヴェルのスペイン狂詩曲と、プーランク2台のための協奏曲。

フランスものの音の色合いの多彩さはお手の物ですが、西村朗の現代ものでは、弦が振動しないようにピアノの中に片手を入れて、弦を指で押さえて打楽器のような音で鍵盤を弾く技法や、拳骨で和音を弾く等、面白い技術のいる曲で、緊張と弛緩の間合いが絶妙で、惹き込まれました。

彼の中にある音楽性が生きたプログラムで、それもイトも簡単に弾きこなす彼の技術力、また安定感にも脱帽でした。

コーラスのみんなも感嘆しきりで、「私らを、見捨てないやろなア~」って。