北斎

北斎展に行ってきた。

混んでいると聞いていたけど、整理券を出してくれたので、並ぶこともなく他の用事をしているうちに時間になって入場が出来た。

北斎は、私はそんなに関心があるわけではなかったのだけど、行ってみて、なぜこんなに人を魅了するのか、わかった気がした。

天才絵師なんだけど、人間味溢れていて、生きる力がみなぎっている。混雑の中、私は食い入るように絵を見続けた。

 

今日は、午前中、音声クリニックに行き、久しぶりに文珠先生の診察を受けた。声に力がなく重くて枯れる。声が立ち上がらない。やはり声帯がうまく閉じてないらしい。声帯の後ろ側が堅く声帯がうまく動いてくれない。先生は急激に痩せたのが原因だと言われ、とにかくしっかり体を戻すことだと。技術的には問題がないのだから、大丈夫だよと先生は言ってくれるけど、手術の後、どれだけ歌っていけるのか不安になってきていた。歌い手としての年齢のタイムリミットにきているのか・・・と。

 

そんな時、北斎の絵を見て、気持ちが切り替わった。北斎は古希を過ぎて、あの富嶽百景を描いたのだ。90歳を過ぎても100歳まで生きるつもりで。90歳で亡くなる時、天があと5年の命を与えてくれたら、本当の絵かきになってみせるものを・・・と言った。

北斎が面白い。世界が魅了したのも分かる気がする。